中国政府は、米国の防衛関連企業10社に制裁を科すと発表した。米国が中国の有力ハイテク企業を防衛契約から排除した動きへの報復措置で、米中対立が再び激しさを増している。レアアース(希土類)をめぐる供給網にも影を落とす内容だ。
デュアルユース品目の輸出を禁止
中国商務省は、米国の軍事関連企業10社に対し、中国企業が「デュアルユース(軍民両用)」品目を輸出することを禁じると発表した。さらに、第三国の企業や個人が中国から制裁対象企業へこれらの品目を転送することも禁じられる。
ドローン・レアアース関連企業が対象
対象となった10社には、軍用ドローンメーカーやレアアース採掘に関わる企業が含まれる。具体的には、レッド・キャット・ホールディングスとティール・ドローンズ、ボール・エアロスペース、オシュコシュ・ディフェンス、L3ハリス・マリタイム・サービス、MPマテリアルズ、USAレアアースなどが名を連ねた。
中国側の措置は、米国防総省(ペンタゴン)が中国の軍事関連企業リストを更新し、一部の中国ハイテク大手を防衛契約から締め出したことへの「報復」と位置づけられている。商務省は、今回の米国の制裁が、5月のトランプ大統領訪中の際に習近平国家主席とトランプ氏が築いた合意に反すると批判した。
日本への影響
米中の制裁の応酬は、日本の経済安全保障に直結する。とりわけレアアースは電気自動車(EV)のモーターや精密機器に欠かせず、中国が供給網への関与を強めれば、トヨタ自動車や日立製作所、TDKなど日本企業の調達リスクが高まる。日本政府はオーストラリアや米国と連携してレアアースの脱・中国依存を進めており、今回の対立はその取り組みを一段と急がせる契機となる。
投資家にとっては、防衛・素材関連株のボラティリティ(価格変動)が高まりやすい局面だ。三菱重工業やIHIといった防衛関連、レアアースの代替・リサイクルを手掛ける企業に物色が向かう可能性がある一方、米中サプライチェーンに深く組み込まれた電子部品メーカーには逆風となりうる。新NISA(少額投資非課税制度)で関連銘柄を持つ個人は、地政学リスクが業績に与える影響を冷静に見極める姿勢が求められます。
まとめ:米中の制裁合戦は世界の供給網を揺るがす重大な動きであり、日本の読者も経済安全保障の視点からその行方を注視することが大切ではないでしょうか。
出典:
NPR – China hits back at U.S. sanctions, restricting exports
Fortune – China sanctions 10 U.S. defense companies
The Washington Post – China hits back at US sanctions on tech giants
Photo: Luo Jin Hong / Unsplash


