世界銀行は6月の「世界経済見通し」で、2026年の世界経済成長率を2.5%に引き下げた。2025年の2.9%から減速し、新型コロナ禍以来の低水準となる。中東紛争に伴うエネルギー価格高騰とインフレ再燃が世界経済の重荷になっていると指摘した。
中東紛争が成長を圧迫
世界銀行(世界の途上国支援を担う国際金融機関)が公表した最新報告によると、中東での紛争が世界の成長を「コロナ禍の発生以来、最も低い水準」まで押し下げる見通しだ。エネルギー価格の上昇、インフレの加速、借入コストの上昇が同時に進み、各国経済の足かせとなっている。
報告書は、世界の3分の2の国・地域について、今年1月時点の予測から成長率を下方修正したと明らかにした。2027年には2.8%へ持ち直すと見込むものの、2010年代の平均を0.4ポイント下回る低成長が続くとした。
低所得国の家計に打撃
一人当たりの実質GDP(国内総生産)成長率は2026〜28年で平均約2.7%にとどまる見通しで、その伸びも国ごとにばらつきが大きい。低所得国では貧困削減に十分な水準に届かず、食料・エネルギー・住宅コストの高止まりが家計を圧迫し続けるとの懸念が示された。
日本への影響
世界経済の減速は、輸出を成長の柱とする日本経済に直接響く。トヨタ自動車やソニーグループ、コマツといった輸出企業にとって、米欧や新興国の需要鈍化は売上の下押し要因となる。中東情勢に伴う原油高は、原油のほぼ全量を輸入に頼る日本のガソリン価格や電気・ガス料金を押し上げ、家計の負担を一段と重くする恐れがある。
金融政策の面でも難しい舵取りが続く。世界的なインフレ圧力が和らがなければ、日銀は追加利上げの判断に一段と慎重にならざるを得ない。円相場は、海外金利の動向次第で再び円安方向に振れやすく、輸入物価を通じて生活コストを押し上げる。新NISAで世界株式に分散投資している人は、短期的な成長率の鈍化に一喜一憂せず、長期的な視点で積立を継続する姿勢が求められます。
まとめ:世界経済が低成長局面に入るなか、日本の家計も物価と為替の動きにこれまで以上に注意を払いたいところです。
出典:
World Bank – Global Economic Prospects June 2026 (Press Release)
World Bank – Global Economic Prospects
Photo: Didier Weemaels / Unsplash


