横須賀の米空母、中東へ──「ジョージ・ワシントン」が交代任務に

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神奈川県横須賀を母港とする米原子力空母「ジョージ・ワシントン」が、中東へ向かっていることが明らかになりました。長期展開で乗員の疲弊が深刻化した空母「エイブラハム・リンカーン」と交代するための派遣です。日本を拠点とする唯一の前方展開空母が抜けることで、西太平洋の抑止に空白が生じるとの懸念が広がっています。

横須賀を母港とする唯一の前方展開空母

「ジョージ・ワシントン」(CVN-73)は、米海軍が海外に常時配備する唯一の前方展開空母で、横須賀基地を母港としています。同艦は5月23日に横須賀を出港した後、先週ベトナムのダナンを離れ、シンガポール海峡やマラッカ海峡を通過する姿が確認されました。アラビア海に到達するまでには、なお1週間ほどかかる見通しです。

疲弊した「リンカーン」との交代

交代の対象となる「エイブラハム・リンカーン」(CVN-72)は、265日に及ぶ二度延長された展開で、乗員の環境が極度に悪化していたと報じられています。艦内ではカビの発生や配管の故障、深刻な物資不足が伝えられ、精神的に追い詰められた水兵が海に飛び込もうとした事例まで報告されました。現時点で中東へ振り向けられる空母は「ジョージ・ワシントン」以外になく、苦渋の判断だったとみられます。

この派遣は、フーシ派による攻撃が再燃する中東での作戦を維持する狙いがあります。一方で、日本を拠点とする空母が長期にわたり不在となることで、西太平洋における中国への抑止力が弱まりかねないとの指摘が出ています。米軍は限られた空母戦力を中東と太平洋のどちらに振り向けるか、難しいやりくりを迫られています。

日本への影響

横須賀を母港とする空母の中東派遣は、日本の安全保障に直接関わる問題です。「ジョージ・ワシントン」は日米同盟の抑止力を象徴する存在であり、その長期不在は、東シナ海や台湾周辺、そして北朝鮮の動きに対する備えの空白として意識されます。日本の防衛にとって、米空母の展開状況は他人事ではなく、自衛隊の警戒監視の負担が増す可能性もあります。

経済の面でも、中東情勢の緊迫は日本の暮らしと無縁ではありません。日本は原油の大半を中東に依存しており、フーシ派の攻撃などで紅海やホルムズ海峡周辺の航行リスクが高まれば、原油価格やタンカーの保険料の上昇を通じて、ガソリン代や電気料金に跳ね返る恐れがあります。日本の読者にとっては、遠く離れた海の軍事動向が、エネルギー価格という身近な形で家計に響きうることを意識し、情勢を注視していくことが求められます。

まとめ:母港の空母が動くとき、日本の安全と暮らしもその影響圏に入ります。中東と太平洋をつなぐ緊張の行方を、冷静に見守っていきましょう。


出典:
Stars and Stripes – USS George Washington headed to Middle East to relieve USS Abraham Lincoln
NPR – New aircraft carrier heads toward Mideast after reports of issues on long-deployed USS Lincoln

Photo: Sergei Phil / Unsplash

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