ウクライナで、7月に国防相を解任されたミハイロ・フェドロフ氏(35)が、戦時下での大統領選挙の実施を求める異例の呼びかけを行いました。ロシアによる2022年の全面侵攻以来、選挙を公然と求めた主要政治家はフェドロフ氏が初めてで、ゼレンスキー大統領の「戦時統治」に対する内部からの挑戦として、国内外の注目を集めています。
「民主主義が人質になってはならない」
フェドロフ氏は動画投稿サイトで公開した演説で、「民主主義がロシアの人質になってはならない」と訴えました。そのうえで「長い戦争のさなかであっても、ウクライナが完全な民主的プロセスを取り戻せるような、合法で安全かつ現実的な仕組みを見つけなければならない」と述べ、戦時下でも選挙を可能にする方策の検討を求めました。
フェドロフ氏はもともとゼレンスキー大統領の側近として知られ、デジタル分野で頭角を現した人物です。今年初めに国防相に任命されましたが、抜本的改革を掲げてわずか半年で解任されました。解任直後には軍の総司令官オレクサンドル・シルスキー氏を公然と批判し、両者の対立と路線の違いが表面化していました。
戦時選挙には高いハードル
ただ、ウクライナの法律は戦時中の選挙を禁じており、実際に投票を行うには法改正など高いハードルがあります。戦線が続くなかでの選挙実施には安全確保や避難民の投票など難題も多く、フェドロフ氏の主張がどこまで政治的な動きにつながるかは不透明です。それでも、結束を最優先してきた戦時ウクライナの政治に、初めて公然と亀裂が入った意味は小さくありません。
日本への影響
ウクライナ情勢は、日本の物価やエネルギー安全保障と地続きの問題です。政権内部の対立が伝えられ、指導部の安定性に疑問符がつけば、和平交渉や復興の道筋への不確実性が高まり、原油や天然ガスといった資源価格が再び振れやすくなります。エネルギーの多くを輸入に頼る日本にとって、価格の乱高下は電気代やガソリン代を通じて家計に直接響いてきます。
日本政府はこれまで、ウクライナへの財政支援や復興支援に関与してきました。支援の前提となる現地の政治情勢が流動化すれば、日本の関与のあり方にも影響が及びかねません。日本の読者としては、戦況だけでなくウクライナ国内の政治力学にも目を配り、それが資源価格や世界経済、ひいては自分たちの生活にどう波及するのかを冷静に見極めていくことが求められます。
まとめ:戦争のさなかに問われる「民主主義とは何か」。遠い国の政治の揺らぎが、私たちの電気代にもつながっていることを忘れずにいたいですね。
出典:
CNBC – Zelenskyy faces challenge as former defense chief calls for election
Al Jazeera – Ukraine’s ousted defence minister calls for elections during war
CNN – Ukraine’s ousted defense minister calls for wartime elections


