台湾政府は2026年の経済成長率の見通しを9.64%に大幅上方修正した。実現すれば、リーマン・ショック後の混乱期を除けば16年ぶりの高い伸びとなる。AI(人工知能)向け半導体やサーバーの世界的な需要拡大が、輸出主導の台湾経済を力強く押し上げている。
AI需要が成長を牽引
上方修正を発表したのは、台湾の統計を担う行政院主計総処(DGBAS)だ。当初予想を上回る世界的なAI需要を背景に、成長率見通しを引き上げた。台湾は世界最先端の半導体の大半を生産しており、AIブームの恩恵を最も直接的に受ける経済の一つとなっている。
輸出の伸びはとりわけ大きい。DGBASは2026年のモノとサービスの輸出が19.93%増加すると見込み、2月時点の予想から7.25ポイント上方修正した。モノの輸出額は8,945億ドルに達する見通しで、このうちサーバーや関連製品が約40%を占めるとされる。2025年の約30%から比率が一段と高まり、AI関連の存在感が際立っている。
半導体一強の追い風
台湾積体電路製造(TSMC)を筆頭とする半導体産業の好調が、こうした数字を支えている。AIデータセンター向けの高性能チップは供給が需要に追いつかない状態が続いており、台湾経済の追い風は当面続くとの見方が市場では強い。
日本への影響
台湾の半導体ブームは、日本企業にとって大きな商機となっている。TSMCが熊本県に建設した工場は日本の半導体復権の象徴であり、ソニーグループやデンソーも出資している。TSMCの旺盛な設備投資は、東京エレクトロンやSCREENホールディングス、信越化学工業といった日本の製造装置・材料メーカーの受注拡大に直結し、これらの企業の業績や株価を支える要因となっている。
一方で、日本にとっては競争と協調の両面がある。半導体は経済安全保障の要であり、政府はラピダスへの巨額支援を通じて次世代半導体の国産化を急いでいる。台湾の一強状態が続けば、日本の産業政策の遅れが意識されかねない。投資家としては、AI関連の世界的な好循環が続く間は半導体関連株が物色されやすい一方、ブームが過熱した局面での反落リスクにも備えておくことが求められます。
まとめ:台湾の記録的な成長はAI時代の縮図であり、日本の半導体関連企業にとっても見逃せない追い風だといえます。
出典:
Focus Taiwan – Taiwan raises 2026 GDP growth forecast to 9.64%
Taipei Times – GDP forecast rises to 9.64 percent
Photo: Lisanto 李奕良 / Unsplash


