G7エビアン・サミット開幕──レアアース危機と関税の崖が最大の焦点に

主要7カ国首脳会議(G7サミット)が6月15日、フランス東部の保養地エビアンで開幕した。17日までの3日間、中国によるレアアース(希土類)輸出規制、7月に迫る関税の期限、そして中東情勢が主要議題となる。世界経済の供給網を左右する成果が出るか、各国の調整が注目される。

関税の「崖」とイラン情勢

開幕にあたり、トランプ米大統領はイランとホルムズ海峡をめぐる和平合意が「ほぼ固まった」との認識を示した。一方、貿易面では、米国の「セクション122」に基づく関税が7月24日に期限を迎える「崖」が迫っており、後継の枠組みづくりが急務となっている。

1.5兆ドルの損失をもたらすレアアース危機

最大の難題はレアアースだ。中国による輸出規制は、影響を受ける各国経済にそれぞれ推計1.5兆ドルの損失をもたらしたとされる。G7では、価格下限の設定や中国製品への関税、共同備蓄、投資審査の厳格化といった踏み込んだ対抗策が議論される見通しだ。ただ、対中姿勢をどこまで強めるかで足並みは乱れている。

貿易分野では、産業の過剰生産能力の抑制、供給網の強靭化、多国間貿易体制の近代化、越境電子商取引の安全確保という四つの優先課題が掲げられている。中国の輸出急増がもたらすマクロ経済の不均衡も、首脳らの議論の俎上にのぼる。

日本への影響

レアアースは、日本のものづくりの生命線でもある。ハイブリッド車のモーターや電気自動車、風力発電、精密機器に使われるネオジムやジスプロシウムは、中国への依存度が高い。供給規制が長引けば、トヨタやデンソー、日立といった企業の生産に支障が及びかねず、G7が打ち出す共同備蓄や調達多角化の枠組みは、日本企業にとっても死活的に重要となる。

関税をめぐる議論も、輸出立国・日本に直結する。米国の関税政策が不透明なまま期限を迎えれば、自動車や機械を中心とする対米輸出の採算が読みにくくなる。日本政府はG7の一員として、自由貿易体制の維持と中国リスクへの対応という難しいかじ取りを迫られている。投資家としては、レアアース関連の代替素材やリサイクル技術を持つ企業に、中長期の商機が生まれる点にも注目しておきたいところです。

まとめ:レアアースと関税をめぐるG7の結論は、日本の製造業と輸出企業の先行きを大きく左右しそうです。


出典:
TechTimes – G7 Summit 2026: Iran Hormuz Deal, Tariff Deadline, Rare-Earth Crisis Hit Evian
Euronews – Wars, tariffs and AI: What to expect from the G7 summit in Evian

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