アルゼンチン、フォークランド巡り英国と対立激化──制裁警告

国際ニュース

アルゼンチンのミレイ大統領は9月4日のテレビ演説で、南大西洋のフォークランド諸島(アルゼンチン名マルビナス諸島)の領有権を改めて主張し、周辺の石油開発に関わる企業に制裁を科す方針を示しました。英国との長年の対立が再び熱を帯びています。

石油企業への制裁を早期に

ミレイ氏は演説で、同諸島は「英国の占領下」にあるものの、歴史的にも法的にもアルゼンチンのものだと述べ、島民には自決権がないとの立場を示しました。そのうえで、島の周辺で探査や掘削を行う石油企業への制裁を早期に進め、対象を供給業者や株主、役員にまで広げる考えを明らかにしました。

大型油田「シーライオン」が火種

背景には、「シーライオン」と呼ばれる大型の海底油田開発計画があります。この事業が動き出せば島に富をもたらし、英国の存在感が一段と強まりかねないと、アルゼンチン側は警戒を強めています。

対立が再燃したきっかけは、トランプ米大統領の発言でした。同大統領は英メディアとのインタビューで、米国は必ずしも英国を支持しないとの考えをにじませました。ミレイ氏はこれを歓迎し、トランプ氏との緊密な関係が成果を生んでいると誇示しました。これに対し英国政府は反発し、フォークランドへの関与は「揺るぎない」もので、島民の自決権は国際法に基づくと反論しています。

日本への影響

遠い南大西洋の出来事に見えますが、日本にとっても無関係ではありません。フォークランド周辺の石油開発を巡る緊張が高まれば、地政学リスクとして原油市場に不透明感が広がり、エネルギーの大半を輸入に頼る日本の調達コストに影響が及ぶ可能性があります。また、資源国アルゼンチンとの関係では、三井物産や三菱商事といった商社がリチウムなどの資源開発に関心を寄せており、同国の政策の予見可能性が投資判断を左右します。米国が伝統的な同盟国である英国への支持を見直す姿勢を見せたことは、同盟の枠組みが揺らぐ時代の到来を示すものであり、日本の外交・安全保障を考えるうえでも見過ごせない変化だといえます。

まとめ:領土と資源をめぐる古い対立が、新しい国際秩序のなかで再び動き出していますね。


出典:
CNBC – Argentina: Milei renews Falklands dispute
CNN – Argentina ratchets up Falklands tensions

Photo: Jolame Chirwa / Unsplash

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