犯罪集団「ゴールデンチキンズ」が再始動──新種マルウェア4種を投入

サイバー犯罪サービスを手がける集団「ゴールデンチキンズ」が、新種のマルウェアを4種類も投入して活動を活発化させていることが分かりました。ブラウザーに保存された認証情報を盗み出す機能を備え、ネット閲覧の操作まで乗っ取る恐れがあります。公開された分析にもひるまず、攻撃の手口を進化させ続けています。

新種マルウェア4種を確認

セキュリティ企業レコーデッド・フューチャーの調査部門「インシクト・グループ」は、この集団を「TAG-195」と呼んで追跡しており、新たに「TinyEgg」「ChonkyChicken」とその派生型、「ChromEggscalator」の4種類のマルウェアを確認しました。ゴールデンチキンズは「マルウェア・アズ・ア・サービス(MaaS)」と呼ばれる形態を取り、攻撃ツールを他の犯罪者に貸し出して収益を得る集団として知られています。

役割を分担する巧妙な設計

新種のマルウェアは、役割を分担する巧妙な設計になっています。「TinyEgg」は感染の入り口となる軽量な裏口(バックドア)として働き、標的の情報を探ったうえで、より高度な「ChonkyChicken」に攻撃を引き継ぎます。ChonkyChickenはブラウザーに保存されたパスワードなどの認証情報を盗み、さらに閲覧セッションそのものを乗っ取る機能まで備えているとされます。

止まらない脅威

これらのマルウェアは、指令を送る仕組み(C2)や潜伏の手口、文字列を隠す難読化の手法などを共通化しており、専門家は「構造的な進化」と評価しています。TAG-195は「Venom Spider(ベノム・スパイダー)」の別名でも知られる金銭目的の集団で、認証情報の窃取や遠隔操作ツールの開発を長年続けてきました。手口が公開されても活動を止めない点に、脅威の根深さがうかがえます。

日本への影響

ブラウザーの認証情報を狙うマルウェアの拡散は、日本の企業や個人にとっても現実的な脅威です。近年、日本国内でも日本交通やコカ・コーラ傘下企業がサイバー攻撃を受けるなど、被害は後を絶ちません。ブラウザーに業務用のパスワードや社内システムへのログイン情報を保存している企業では、一台の端末が感染しただけで、そこを起点に社内ネットワーク全体へ被害が広がる恐れがあります。

こうした「サービス型」の攻撃集団は、専門知識の乏しい犯罪者にもツールを提供するため、攻撃の裾野が広がりやすいのが厄介な点です。日本の企業の情報システム担当者としては、従業員のブラウザーへのパスワード保存を見直し、多要素認証の導入を徹底することが求められます。個人の読者にとっても、身に覚えのないメールの添付ファイルやリンクを安易に開かないこと、そしてパスワードの使い回しを避けることが、被害を防ぐうえで欠かせない基本的な対策だといえます。

まとめ:攻撃者は分析されてもなお進化を続けます。認証情報を守る基本の対策を、いま一度点検しておくことが大切です。


出典:
The Hacker News – Golden Chickens Resurfaces With Four New Malware Families
Recorded Future – Golden Chickens Research
SC Media – Golden Chickens MaaS resurfaces

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