日本交通、サイバー攻撃で配車停止──国内最大手を直撃

テクノロジー

国内最大手のタクシー・ハイヤー事業者である日本交通が、サイバー攻撃を受けてシステムの一部を停止しました。マルウエア(悪意あるソフト)感染が原因で、タクシー配車や予約管理などの基幹システムが影響を受けています。生活に身近なインフラを狙う攻撃の脅威が改めて突きつけられました。

基幹システムを緊急停止

セキュリティ専門メディアの報道によると、日本交通は7月11日、外部からの不正アクセスによるマルウエア感染を確認し、被害拡大を防ぐためにシステムを緊急停止しました。停止したのは、電話とウェブによるタクシー配車サービス、ハイヤーの予約管理、複数の社内システムなど、事業の中核を担う基盤です。

妊婦向けサービスにも影響

同社は感染を検知した直後、影響を受けたシステムをネットワークから切り離し、社内ネットワーク環境を隔離する封じ込め措置を取りました。外部のセキュリティ専門家も交え、原因調査と復旧を進めています。妊婦向けの「陣痛タクシー」サービスも一部の都市で一時停止するなど、影響は利用者の生活場面にまで及びました。

情報流出は現時点で確認されず

7月14日時点で、情報の外部流出を示す証拠は確認されていないものの、調査は継続中です。日本交通は、新たな事実が判明した場合には関係者に通知するとしています。利用者に対しては、配車アプリ「GO」の利用や、路上での直接乗車を呼びかけるとともに、同社をかたるフィッシング(偽メールなどで情報を盗む手口)への警戒も促しています。

日本への影響

今回の事案は、日本の生活インフラを支える企業がサイバー攻撃の標的になり得ることを、身近な形で示しました。タクシー配車のようにデジタル化が進んだサービスほど、システムが止まれば利用者の移動手段が直ちに損なわれます。物流、鉄道、医療、自治体など、社会基盤を担う組織はいずれも同様のリスクを抱えており、経営層はサイバー防御を「IT部門の問題」ではなく事業継続の要と位置づける必要があります。

利用者一人ひとりにとっても教訓があります。企業がシステム障害に見舞われた際は、その混乱に便乗した偽サイトや不審なメールが出回りやすくなります。日本交通が注意を促したように、公式アプリや公式サイト以外の経路で個人情報やクレジットカード番号を入力しないこと、心当たりのない「復旧のお知らせ」メールのリンクを安易に開かないことが、いま求められる自衛策です。日ごろから複数の移動手段や連絡経路を確保しておく備えも、有事の際に役立ちます。

まとめ:生活を支えるサービスも攻撃の標的になる時代です。日本の読者も、便乗詐欺に注意し、公式経路の利用を心がけたいところです。


出典:
BleepingComputer – Japan’s largest taxi operator shuts systems after cyberattack
Security Affairs – Malware hits Japan’s largest taxi company Nihon Kotsu

Photo: Jason An / Unsplash

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