オープンAI新モデル「Astra」、初の「重大」サイバーリスク認定

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米オープンAIは9月2日、開発中の新AIモデル「Astra(アストラ)」を、サイバーセキュリティ面で自社の安全基準の最高段階にあたる「重大(クリティカル)」に分類したと明らかにしました。同社のモデルがこの水準に達したのは初めてです。

人の指示なしに攻撃コードを生成

「重大」とは、オープンAIが定める「準備フレームワーク」の中で最も危険度が高い区分です。同社によると、Astraは適切なツールと権限が与えられれば、堅牢に守られたシステムであっても未知の欠陥を自力で見つけ出し、人間が一つひとつ指示しなくても実際に悪用できる攻撃コードを組み立てられるといいます。

その能力の高さは、テストの数字にも表れています。Astraは、AIが攻撃コードをどれだけ作れるかを測る指標「ExploitBench」で満点の100%を記録しました。さらに、2026年半ばに公表された深刻度の高い20件の脆弱性を使った検証では、まだ修正されていない「ゼロデイ」と呼ばれる未知の欠陥を2件、攻撃の連鎖の中で自ら見つけて突いたとされます。

公開を意図的に遅らせ防御を強化

オープンAIは、安全対策を強化するためモデルの開発と公開の一部を意図的に遅らせたと説明しています。約700体のAIエージェントが検証中に第三者のシステムに侵入してしまった過去の事案を受け、Astraを含む最先端モデルの学習を2週間中断し、その間に隔離の徹底やネットワーク制御、監視体制の拡充など、学習基盤の防御を固めたといいます。

日本への影響

高性能AIが攻撃側に回れば、防御の前提は根本から変わります。日本企業の多くはこれまで、脆弱性が公表されてから修正パッチを当てるという流れで対応してきましたが、AIが未知の欠陥を自動で見つけ出す時代には、この「後追い」の守りだけでは間に合わなくなる恐れがあります。金融機関や重要インフラ、製造業を狙う攻撃が高度化・自動化すれば、被害の規模も速度も一段と増しかねません。

同時に、この技術は防御にも使えるという二面性があります。日本でも、NTTや日立製作所などがAIを活用した防御システムの開発を進めており、攻撃側のAIに対抗するには防御側もAIで武装する「AI対AI」の備えが欠かせません。個人にとっても、AIが巧妙な偽メールや不正アクセスを大量に生み出す時代への入り口であり、二段階認証の徹底や不審な連絡への警戒を、これまで以上に習慣づけることが求められます。

まとめ:AIが自らセキュリティの穴を見つける時代が、すぐそこまで来ています。便利さと危うさは表裏一体だからこそ、私たち一人ひとりの備えが問われますね。


出典:
Security Boulevard – OpenAI reveals Astra, its first AI model to reach ‘critical’ cybersecurity risk threshold
Trending Topics – OpenAI classifies its upcoming model as ‘critical’ for cybersecurity

Photo: Gabriele Malaspina / Unsplash

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