AI動画のHiggsfield、約590億円を調達──評価額8カ月で4倍に

テクノロジー

AIで動画や画像を生成する米新興企業Higgsfield(ヒッグスフィールド)が、4億ドル(約590億円)の資金調達を実施しました。企業評価額は54億ドル(約8000億円)と、わずか8カ月で4倍に膨らみ、過熱するAI動画市場の勢いを象徴しています。日本のNTTドコモ・ベンチャーズも出資に名を連ねました。

評価額は8カ月で4倍超に

Higgsfieldが実施したのはシリーズBと呼ばれる成長段階の資金調達で、調達額は4億ドル(約590億円)に上ります。評価額は54億ドル(約8000億円)となり、8カ月前のシリーズAで付いた13億ドルから4倍以上に跳ね上がりました。投資家心理がAI関連にいかに強気かを物語る数字です。

日本のドコモ系ファンドも参加

この調達はDST Globalが主導し、ゴールドマン・サックスの成長投資部門やインテル・キャピタル、韓国のミレアセット、そして日本のNTTドコモ・ベンチャーズなどが参加しました。幅広い国際的な投資家が集まった点も注目されます。同社は調達資金を、研究開発や世界規模のインフラ整備、AI人材の採用、事業拡大に充てる方針です。動画生成は膨大な計算資源を必要とするため、その多くが計算能力(コンピュート)の確保に回るとみられます。

急成長を支えるのが売上の伸びです。同社によると、年間換算の売上高は2026年8月時点で約7億ドル(約1000億円)に達し、1年前の約2000万ドルから急拡大しました。当初は個人利用者に依存していましたが、いまでは企業顧客が売上の大半を占めるまでに変わり、AI動画のビジネス活用が本格化していることをうかがわせます。

日本への影響

今回の調達に日本のNTTドコモ・ベンチャーズが参加した点は、日本企業がグローバルなAI競争にどう関わっていくかを考えるうえで象徴的です。AI動画生成の技術は、広告やマーケティング、エンターテインメントの制作現場を大きく変える可能性を秘めており、電通や博報堂、東映といった日本のコンテンツ・広告産業にも波及していくでしょう。制作コストの大幅な削減が期待される一方で、映像クリエイターの仕事のあり方や、著作権・肖像権をめぐる新たな課題も生まれます。

投資の観点では、AI関連企業の評価額が短期間で数倍に膨らむ現状には、期待先行の過熱を懸念する声もあります。日本の投資家がこうした海外の非上場スタートアップに直接投資する機会は限られますが、ソフトバンクグループのようにAI企業へ大型投資を続ける国内企業の動向を通じて、その恩恵とリスクは間接的に届きます。技術の進歩と市場の熱狂を切り分けて冷静に見極める姿勢が求められます。

まとめ:AI動画の急成長は、私たちの「見る・つくる」を根底から変えようとしています。期待と課題の両面を見据えて、その進化を追いかけていきましょう。


出典:
TechCrunch – Higgsfield raises $400M Series B
SiliconANGLE – Higgsfield raises $400M at $5.4 billion valuation

Photo: Steve A Johnson / Unsplash

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